【ナニワ金融道】循環的にやってくるマルチの正体を暴く金融屋

MLMとよばれることもあるマルチ商法。

マルチ商法という言葉を聞き始めたのはそれほど昔ではなく、違法であるネズミ講とは違い、一応合法と判断されていますが、限りなくグレーに近い存在として認識されています。


出典:「ナニワ金融道」第15巻

ナニワ金融道で取り上げられた時代には、商材として洗剤系があり、最近では主にICOが流行しています。

ネットワークビジネスという名称でイメージ向上を図っている節もありますが、ネガティブイメージを払拭するまでには至っていないようです。

マルチに手を出す理由

ナニワ金融道の中では、マルチに足を踏み入れていく人たちの多くが副業で取り組んでいます。

これはマルチの特徴を良く表していて、自分が動かなくても勧誘した下請けが活動してくれれば不労所得になる。

題材として英国製タイヤを取り上げていますが、日本総代理店の親ネズミである枷木に勧誘された警察官が同僚を勧誘し、まさにネズミ講の図式になっています。

公務員である警察官は、副業は厳禁ですが、それでも手を出すほど魅力的に見えてしまうのがマルチの魔力なのでしょう。

灰原たち帝国金融は、当然のごとくマルチの本質をつかんでいますが、不労所得を夢見る子ネズミたちはその本質が見えていない。

残念ながらマルチは商材が変わるだけで、常に子ネズミたちが敗戦処理をさせられるものなのでしょう。

マルチのメリットとは

ビジネス的な視点で考えた時、マルチビジネスのメリットとは何なのか。

まずは店舗が不要であること、直接取引なので広告費をはじめとした販管費がかからない、という点が大きなメリットでしょう。

これは製造元から小売まで、すべてにおいてのメリットです。

これだけであればビジネスが破綻することはなさそうですが、なぜ破綻してしまうのか。

小売店に課される、本来不要なはずの初期投資が負担になるからでしょう。

マルチに関わる人が、すべて販売力があれば問題ないのかもしれませんが、実際には売れる人と売れない人がいる。

売れない人は初期投資が重荷になっていく。

本編では、灰原を勧誘しようとした、警察官・欲田山海がマルチの餌食として象徴的に描かれています。

マルチの本質

マルチの本質は、本編の中で親ネズミの枷木の口から明らかにされています。


出典:「ナニワ金融道」第15巻

マルチとは、人間関係を現金化するシステムであると。

枷木と一緒に灰原を勧誘した仲間たちも、マルチの本質を理解していないと描かれています。

これはビジネスの本質、もっといえばお金の本質を理解していない人間が、安易に商売に手を出すと痛い目に会うで〜という青木先生の忠告が込められている気がします。

なんとしてでも灰原を自分の下に入れたい枷木、同じニオイを感じたのは貸金業も決して遠くないビジネスだからでしょう。

お金があれば幸せなのか

マルチに飛び込んだ灰原の彼女、朱美。

以前、公団の入居代行に申し込んだリストの一覧を元に、訪問販売をする。

他人の善意を信じて暮らす御久楽家を訪れた朱美は、通された室内に訪問販売で購入したと思われる大量のグッズに驚き、考えさせられる。


出典:「ナニワ金融道」第15巻

そして灰原に人間の幸せとはなんなのか、問いかける。

これこそが青木先生が言わんとしていることで、銭だけあれば幸せなんでっか?と問いかけられているような気がしてなりません。

お金は必要だが、お金さえあれば幸せになれるんか?と。

まとめ

結局、新しい商材でマルチを始めた枷木をがんじがらめにしてしまう灰原。

人間関係をすべてお金に替えると決心した時点で、金融マンにはかなうはずもなく。

手順を踏んで銀行や公庫から融資を受けてビジネスをしないと、どういうことになるかと警告されているようです。

もうかりそうなビジネスを見つけたと思うと、誰もが千載一遇のチャンスを逃してなるかと思ってしまう。

ですが、そういった機会に巡り合うのは一生に一度きりなはずがない、冷静に対処すべしと訴えたかったのではないかと思いました。

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