【ナニワ金融道】商品先物取引ですべてを失った教頭先生を笑えるか?

一見すると、人生の成功者にしか見えない、市立小学校に勤める婿養子の三宮損得教頭。

そんな教頭の元に、商品先物業者の社員、羽目が営業に来る。

職員室に営業マンが堂々と乗り込んでくる、今では考えられないことですが、牧羊的な時代だったといえます。


出典:「ナニワ金融道」第9巻

なぜ教頭先生は手を出したのか

近所の人に、パンツのヒモすら買えない婿養子と揶揄される教頭。

そんな教頭に先物取引の証拠金50万円を入れるように促す悪徳商品先物業者。

とにかく職場である職員室から出ていってほしい一心で、資金を用意できない教頭は勧められるままに帝国金融で融資を受ける。

人目(世間体)を気にするあまり、よく分からないものを購入してしまう傾向のある人たちへの警鐘を鳴らしていると考えられます。

この無駄なプライドこそが、大いなる落とし穴だと警告しているかのようです。

そもそも先物取引と現物取引の違いすら知らない教頭が、業者の言われるままに売買すればどうなるかは自明の理ですがね。

そういったことを考えさせる間を与えず、取引を開始させられた時点で終わっていたとも言えます。

教頭先生が陥った手口

悪徳業者の典型的な手口として、まずは小さく取引させたところで儲けさせる。

そこから金額を引き上げて、大口の取引に誘導し、一気にドボンさせる。

電話注文しかできない時代なので、実際に建玉の確認すらできずに、証拠金を言われるがままに入れてしまう教頭。

現物取引の認識がある教頭は、自分で計算した儲けが2,000円だったはずなのに、業者に36,000円と言われて浮かれ気分に。


出典:「ナニワ金融道」第9巻

つまり18倍のレバレッジ取引ということですが、マイナスに転換すれば一気に追証に次ぐ追証が発生する懸念すら持っていない状態というわけで。

実際にここまで極端でないかもしれませんが、豊○商事など、世間を騒がせた業者を丹念に調査されたのかもしれません。

灰原、鬼になる

ある意味、悪徳業者と共謀関係になった帝国金融。

社長の金畑は教頭をとことん追い込む覚悟があるか、灰原に確認する。

葛藤を抱えながら大阪一の金融マンになる決意をした灰原、それは他人の不幸を招くことにほかならない。

実はこれこそが著者の青木氏が訴えたかったことではないかと。

お金は大事だが、いくらお金だけがあっても決して幸せになることはできないと。

それを灰原の行動から訴えているような気がしてなりません。

教頭の鬼嫁から白紙の保証契約書を受け取った灰原は自らを鬼へと。

次ページへ続きます

関連記事