【ナニワ金融道】不動産バブル崩壊に踊らされた男たちの悲喜こもごも

法律は弱者の味方?

灰原の入れ知恵により、半径20m以内に病院を開業することで開業することができなくなったピンクビル。

事実を知った賃借契約人たちに損害賠償を求められ、夜逃げする肉欲に同情するふりをしつつ、ビルを占有する灰原たち。

ことはすんなり収まるはずもなく、誘い出され監禁される灰原たち。

が、冷静さを失った賃借人たちの暴走により、状況は一変、百戦錬磨の金畑社長に一喝されてしまう。


出典:「ナニワ金融道」第6巻

知らない方が悪いといえばそれまでですが、法律は決して弱者の味方ではないことを思い知らされます。

結局は保身

一方、肉欲企画に20億円融資していたアカ信ファイナンスは、親会社の赤貝信託銀行から融資停止と不良債権回収を命ぜられる。

担保割れした者には追加担保を、利払いが滞っている者には返済を迫る。

しかし、帝国金融に1億円でビルの抵当権を外され、最後には情に訴えるが軽くあしらわれてしまうアカ信。

トップの決断で迅速に行動に移す帝国金融、自分たちで考えているようで、最後には結局親にケツ拭きを求めるアカ信ファイナンス。

前を向いている帝国に対し、上ばかり向いて仕事をしているアカ信をディすっているのでしょう。

肉欲の潔さとアカ信の狼狽ぶりをコントラストで描くことにより、組織人に対する強烈な皮肉も同時に描いているようです。

まとめ

このストーリーで考えさせられるのは、覚悟の違いですね。

計画が頓挫した瞬間、すべてを投げ出して裸一文になる覚悟をした肉欲、一方、少しでも貸した金を回収するためにプライドを投げ打って奔放するアカ貝ファイナンス。

彼らが守りたかったもの、それは「現状」にほかなりません。

多くの人が考える「変化」というリスク、でも、並外れた行動力を持つ青木氏はこう言いたかったのではないでしょうか。

変化を恐れて行動しないことが一番のリスクである、と。

まずはやってみなはれ、頭では分かっていても、実際にやってみることはいかに大変か。

だからこそ決断して行動することが大事である、と問いかけられているような気がします。

著者 青木 雄二(あおき ゆうじ)
出版社 講談社
掲載誌 モーニング
巻数 全19巻

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