【ナニワ金融道】不動産バブル崩壊に踊らされた男たちの悲喜こもごも

ナニワ金融道の中でも特に印象に残っているのが、肉欲棒太郎の地上げエピソードです。

バブル崩壊の引き金を引いたとされる、総量規制後の不動産業を取り巻く話になっています。


出典:「ナニワ金融道」第5巻

バブル当時の地上げといえば、怖い人たちが強引に立ち退きを迫るというイメージしかなかったのですが、このマンガを読んでそれが一面的な話にしか過ぎないことを痛感させられたものです。

バブルを演出していたもの

20世紀の日本で起こったバブル景気、主役は間違いなく不動産業でした。

今のように家賃収入によるインカムゲイン経営など誰も見向きもせず、ひたすら売却益のキャピタルゲインのみを追い求めることによって起こされたバブル経済。

当時は土地神話が信奉され、土地はずっと値上がりし続けるものだと思われていました。

市中にマネーが溢れかえり、現在とは比較にならないほど金回りが良かった時代。

そんな時代におそらく起こっていたであろうエピソードを描いています。

なぜ地上げを

そもそも地上げは都市集積をしたい人たちが目論んだもので、実際に使われていた人たちはバブル崩壊とともに奈落の底に突き落とされていくというもの。

小さな土地を集め、大きな土地にすることで建ぺい率や容積率が緩和されることで、土地の価値が何倍にもなるから。

では、そんな大きな土地を必要としているのは一体誰なんでしょうか?

肉欲棒太郎も(本人は)怖い人とは一線を画して仕事をしているつもりですが、実際にはピンクビルを建てて立ち退きを拒む人たちを追い出しにかかります。

限りなくグレーに近い立ち退かせかただとは思いますが、どこぞの大国のように立ち退きに反対するものに優しい国ですね、どちらかといえば。

しかし、そのみえみえの立ち退かせかたを住人含め、当然のことながら警察も快くは思っていない。

そんな感情をうまく利用して、灰原たち帝国金融が肉欲をハメていく。

風営法でハメていく

大人の社交場ビルを造ることで、虫食いの地上げを完成させようとする肉欲。

すでに20億円を貸し付けて肉欲企画の自社ビルに一番抵当を付けている赤貝信託銀行の子会社アカ信ファイナンス。

総量規制により融資がストップしただけでなく、貸し剥がしといわれる状況を生み出すほどに悪化した状態で、新たな融資が絶望的な状況に追い込まれる。

そのため、高利貸しの帝国金融に5000万の融資を申し込むことに。

結果的にこのことが原因で、自社ビルを乗っ取られてしまう肉欲。

おそらくですが、作者の青木氏は高利貸しに気をつけろということではなく、金融に関わる者すべてに気を許してはいけないと警告していたのでしょう。

法律は弱者の味方?

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