投資を始める前の必読書!ナニワ金融道で学んだこと

今でこそ、お金をテーマにしたマンガは巷にあふれていますが、そのパイオニアともいえる存在が青木雄二氏の「ナニワ金融道」でしょう。

モーニングで連載され人気を博したナニワ金融道ですが、順風満帆のデビューではなく、当時レギュラー漫画家の急病により、穴埋めとして掲載が始まりました。

当時はタブーと思われていた、お金の裏側を描き、スクリーントーンをほとんど使わない、独特の濃密な絵に強烈なインパクトを受けたものです。

同じように、もっと読みたいと思った読者の支持により、急遽連載が決まった経緯がありました。

漫画は稼ぐ手段

作者の青木雄二さんですが、ナニワ金融道の連載開始時にすでに45歳でした。

苦難の下積み時代を経て、というわけではなく、そもそも漫画家のアシスタントすらしたことのないという異色の経歴。

漫画家デビューするまでに30前後の職種を経験し、結果的にはそれが漫画や断筆後に出版する活字本にも生かされていることは疑いようもありません。

青木先生にとっては、漫画は職業の一つに過ぎず、想定外の大ヒットで一生暮らせるお金を稼いだということで、漫画家としての活動をあっさりと終了。

ですが、漫画を描かなくなった後も、講演や活字の執筆活動で多忙な人生だったようです。

資本論に感化

ナニワ金融道のベースにあるのが、マルクスの資本論であることは疑いようのない事実でしょう。

資本家が労働者の余剰価値を搾取することへの怒り、あるいは疑問が根底に流れています。

ナニワ金融道では資本論が取り上げられることはほとんどありませんが、書籍では度々資本論を引用し強烈に影響を受けていることを感じさせます。

資本主義の競争的な側面を批判し続け、漫画の中でも皮肉を込めて描き続けました。

金融漫画の先駆け

ナニワ金融道といえば金融をテーマにした漫画がブレイクするきっかけとなった、金字塔的作品だと思います。

誰もが情報発信をできる現代と違い、金融の世界は秘匿的な情報が多く、それらを余すことなく描き続けた作品に衝撃を受けたものです。

テーマもバブル期の地上げや商品先物取引、海事代理士やゼロ号不渡りといった全く聞いたこともないようなネタも取り入れ、読ませる力がスゴイ漫画でした。

全19巻の中に、いくつかのエピソードがありますが、掘り下げてみたいと思います。

ナニワ金融道の中でも特に印象に残っているのが、肉欲棒太郎の地上げエピソードです。 バブル崩壊の引き金を引いたとされる、総量規制後の不動産業を取り巻く話になっています。
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著者 青木 雄二(あおき ゆうじ)
出版社 講談社
掲載誌 モーニング
巻数 全19巻

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